天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

唐辛子

大船フラワーセンターにて

 熱帯アメリカ原産のナス科植物。代表的な香辛料の一つ。日本には16世紀に伝来。鷹の爪、天井守、天竺まもり、南蛮 などの呼び名もある。秋の季語。


     うつくしや野分の後のたうがらし   蕪村
     吊されてより赤さ増す唐辛子   森田 峠


  乾燥剤加へ密閉せしものの赤唐辛子叫びはせぬか
                   對馬恵子
  油にて唐辛子炒る辛辣の香は寂しけれ路地を抜けゆく
                   尾崎左永子
  朝市の深ざるに盛るとうがらし濃き血の色もこの国のもの
                   佐藤則子
  極まりてかういふ色になりました赤唐辛子しみじみと言ふ
                   青木昭子
  時限爆弾しかけるごとく束ね吊る寒の朝の赤とうがらし
                   渋谷みづほ