天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

コスモス

大船フラワーセンター

 メキシコ原産のキク科の春まき一年草。秋に径5cmから7cmの頭花を開く。八重咲、コラレット咲、大輪咲また舌状花が管状になるもの、更に夏前に開花する早咲きの園芸品種がある。秋桜(アキザクラ)とも呼ぶ。


     ゆれかはしゐてコスモスの影もなし  大橋宵火
     コスモスの押しよせてゐる厨口    清崎敏郎
     風つよしそれより強し秋桜      中嶋秀子


  コスモスの花群に風わたるとき花らのそよぎ声のごときもの
                    長澤一作
  月と日と二つうかべる山国の道に手触れしコスモスの花
                    岡部桂一郎
  昏みゆくひるの青空しんしんと繊く虔しくコスモスありぬ
                    三枝浩樹
  やさしいね陽のむらさきに透けて咲く去年の秋を知らぬコスモス
                    俵 万智
  コスモスの野原よぎりてバス停に亡き人の来る時刻待ちをり
                    山田吉郎
  花束にしても寂しきコスモスを天に放ればこの日の花火
                    小川恵子