天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

終着駅

NHKテレビの画像から

 汽車や電車の最終到達駅、ターミナル。そこから先には線路がない。終着駅は始発駅でもある。人生に結びついたロマンチックな情景を連想させるこの言葉は、小説や演歌の題材になることが多いが、短歌ではあまり詠まれない。歌言葉にはなっていない。


  終着駅されどここより始発する一輌編成凛然とせよ
                   松平盟子
  どこをどう走りているも過程にて終着駅のあるは
  知りおり             和田周三


  着いたらばやりなほさうよ始発駅・終着駅はともに
  兼ね合ふ             岩田 正


  しはつ電車の紺の座席のひとねむり春の山なみ見ゆる
  町まで              小中英之


  雨もやの駅にて待てば今日も来る始発電車は礼儀正しく
                   早川志織


 右上の画像は、NHKテレビ「新日本風土記―終着駅―」の一画面をデジカメで切りとったもの。