天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

江ノ島にて

 サンスクリットではナーガという。インドの龍王思想はヒンヅー教や仏教とともに伝播し、東南アジアにも各種の龍神伝説が残る。中国では最古の夏王朝の頃から天子の象徴とされた。



  子を去らせ乳腫れたればわが妻もかなしき竜となりに
  けらずや               石本隆一


  阿夫利嶺の竜の尖り秀(ほ)研ぐごとく晩秋の月は尾根を
  めぐりぬ               山田吉郎


  竜となり虎(こ)となり師走の夜を吼ゆる大樹園の凧に
  戦(をのの)きにけり          岩田 正