霧氷の一現象で、樹花(きばな)ともいう。過冷却された大気中の微細な水滴が樹木などに凍りついてできる。風上側へ羽毛状に成長する。気泡を含むので白色になる。蔵王の樹氷はよく知られている。富士山や伊吹山でも見られる。
入方の光うすれて射すところ樹氷につづく樹氷しづかなり
松村英一
風に散る樹氷(きばな)かあらしさびさびと山の寝雪に音
のきこゆる 穂積 忠
樹氷縫ふ横手山リフトの先は見えず飽満感あふれて身は
硬直す 加藤将之
裸木(はだかぎ)の尖の樹氷が散る山の下に凍りて風のみずうみ
武川忠一
雪かきを互みに止めて隣家の少女と賞づる山の樹氷を
辰野八重