天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

樹氷

NHK-BS放映画像から

 霧氷の一現象で、樹花(きばな)ともいう。過冷却された大気中の微細な水滴が樹木などに凍りついてできる。風上側へ羽毛状に成長する。気泡を含むので白色になる。蔵王樹氷はよく知られている。富士山や伊吹山でも見られる。


  入方の光うすれて射すところ樹氷につづく樹氷しづかなり
                     松村英一
  風に散る樹氷(きばな)かあらしさびさびと山の寝雪に音
  のきこゆる              穂積 忠


  樹氷縫ふ横手山リフトの先は見えず飽満感あふれて身は
  硬直す                加藤将之


  裸木(はだかぎ)の尖の樹氷が散る山の下に凍りて風のみずうみ
                     武川忠一
  雪かきを互みに止めて隣家の少女と賞づる山の樹氷
                     辰野八重