天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

チューリップ

大船フラワーセンターにて

 チューリップの生産では、オランダが有名。毎年球根を十二億球も作るという。わが国には文久年間に渡来したが、本格的に栽培されるようになったのは、明治に入ってからである。
2012年6月9日のブログで、俳句と短歌の例をあげたので、今回はそれらと重複しない例を示す。


     この国の花地平までチューリップ  弓削土子
     チューリップ開くを真上より覗く  鎌田健一


  明快な赤白黄とチューリップお伽噺のように咲くなり
                    岡部桂一郎
  乱れつつ咲き残りゐしチューリップにとどめのごとき雨
  降りしきる             川合千鶴子


  チューリップの茎すうーと伸び十三本花の原型の青きふくらみ
                    馬場あき子
  心臓をかかげて咲けるチューリップ病む心神(こころど)の
  忘らえなくに             菱川善夫