天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

噴水(1)

浜松フラワーパークにて

 大形の噴水設備では、音楽に合せて水の噴き出し方を変えるものをよく見かける。照明の色を変えたりするものもある。プログラムによる制御装置で動作するので容易にできる。


  かがやける夜の噴水唇(くち)よせてをとめの耳にをとめ
  ささやく                大野誠


  寒牡丹見て居り戻り行く苑のみち豊かに展く水柱ありき
                      三國玲子
  噴水のしぶきは霧のごとくにてときにうすらの虹をなびかす
                      加藤克己
  水の匂ひほのかに生ぐさく噴水は風に向きかへ池の面打つ
                      尾崎敏子
  直立の噴水の芯くづれつついきほひ玉となるときしぶく
                      野原水嶺
  噴水ののぼる限界畢竟はもろともにわれと崩れゆくもの
                      小池文夫