天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

立葵(たちあおい)

開成町あじさいの里にて

 ホリホックとも呼ぶ。中国原産のアオイ科多年草。高さは2mほどになり、6月から8月にかけて葉腋に径6cm内外の花をつける。花の色には、白・黄・赤・桃・紫・黒褐色など。八重咲きもある。


     呼鈴を押してしばらく立葵   鷹羽狩行
     夕刊のあとにゆふぐれ立葵   友岡子郷
     貧乏に匂ひありけり立葵    小澤 實
     立葵いま少年の姿して     岩田由美


  今年また立葵さくころとなり同じ花同じところに開く
                    佐藤佐太郎
  荒惨にちかきあこがれ夏たけて空地のあれば立葵さく
                    上田三四二
  うべなひて夏空に返答するごとき立ち葵躊躇なき序列 
                    大獄洋子
  真水まで遠いといって諦める立葵咲く駅のベンチで
                    吉野裕之
  華やかな苔縦横に打ち合えり立葵しどろに揺るる疾風(はやかぜ)
                    高安国世
  思いきることと思いを切ることの立葵までそばにいさせて
                    永田 紅