天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鯉(5)

NHK

 錦鯉が一般に知れわたったのは,1914年の東京大正博覧会に新潟県から紅白が出品されて好評を博して以降という。錦鯉の種類には、御三家以外にも驚くほど多くの種類がある。山古志村が写真つきで様々な種類の名称を紹介しているので、次のhttpをご覧頂きたい。
   http://www2.ocn.ne.jp/~yamakosi/nishikigoi/shurui.html


  しだれ桜池に映えゐて鯉の群れ姿あらはすみな太つ腹
                    藤岡武雄
  攫はれて一生(ひとよ)を過ぐすこの星にゆつくり遊べ
  鯉も金魚も             内藤 明


  このほそき溝川にして水の音稚魚ひきつれて鯉一尾行く
                    清水房雄
  町川のゆふぐれに鯉うかび来ぬみぐるしきまで巨大となりて
                    小池 光
  足音に寄り来し無数の鯉の口腔(くち)おそろしきまで
  生きもののくち          早崎ふき子


  きんいろの鯉はしばしば正面に泳ぎ来て斜視なす眼に
  吾を見る             正井萬喜江