天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

梅雨明け

横浜市東俣野の路傍にて

 いつのまにか関東甲信地方は梅雨が明けたらしい。東京の水瓶のある山地には、十分な雨が降っているとは思えないので、このままでは8月の水不足が深刻になるのではないか。ニュースでも利根川水系のダムの貯水率が極端に低く節水が必要とのこと。


     太陽光発電の屋根梅雨曇り
     道祖神に背を向け坐る日日草
     腰曲げて畑打つ鍬時鳥
     色浅き朝の目覚めの合歓の花


  野球待つセントルイス紅雀アーチゲートに赤く点れる
  ぎりぎりの家庭収支を省みず今日も見に行くMLBを
  水無月の大和の川に夜さればゆたにたゆたに蛍飛び交ふ
  スライドの棚にカルテは犇きて死者と生者の秘密を語る
  東京は五輪に適はぬとのキャンペーン歴史認識を問題として
  しきしまの大和の森へ海上(わだなか)をアサギマダラは
  ひたすらに飛ぶ


  電線に鴉止まりて呼び合へり下の畑に南瓜が太る
  紫陽花の枯れはじめたる池の辺にアガパンサスは俯きて咲く
  公園を出づれば車道わが前の横断歩道を鴉がわたる
  東海道鉄砲宿の道の辺に錆の出でたる梔子の花
  港湾に麒麟のごとくリフト立ち太平洋に夕陽が沈む