天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

葱坊主

横浜市東俣野の田園にて

 葱の花のこと。葱は冬の季語だが、葱坊主は春の季語。


     音のなき刻の不思議に葱坊主  神蔵 器
     葱坊主埴輪の馬の出でて来よ  角川春樹
     唐寺に雨のはげしき葱坊主   渡辺鶴来


  葱坊主の首刎ねてゆく葱畑に朝のしたたるやうな快感
                   橋本俊明
  百千の指揮棒立てし葱坊主月夜ひそかに行進をなす
                   入谷 稔
  <ネギ坊主>ナルホドナルホド<ネギ坊主>頭ほどけて
  シロバナ覗く           奥村晃作


  葱坊主の首刈る利鎌ひらひらと遠稲妻もみちびく夕べ
                   波汐國芳