天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

アイスクリーム

わが身辺から

 牛乳、鶏卵、砂糖を主材料としてよく攪拌して空気を含ませ凍らせたもの。アイスミルク、ラクトアイス、氷菓子などと区別するため、食品衛生法では乳脂肪分を8%以上含むものとされる。日本では明治二年、横浜で初めて売り出された。


  老後の後の老いのようにもくずれゆく父 食べさせし
  あいすくりーむ            大野道夫


  失恋の<われ>をしばらく刑に処す アイスクリーム断ち
  という刑               村木道彦


  ゆふぐれの雨明るけれ氷菓にも蛇にも見放されつつ歩む
                     水原紫苑
  行きかへりあいすくりんを食めるなり土佐はよいとこ
  昔の味する             大塚布見子


  アイスクリームなめつつ来たる女生徒ら反核署名に気軽
  に応ず                首藤隆司


  みいんみん みんな死んだよ 子供らはアイスクリームの
  味も知らずに           山埜井喜美枝