天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

インコ

知人宅にて

 漢字では鸚哥と書く。オウム科の鳥の総称。尾の長いものをインコ、短いものをオウムと呼んでいる。飼い鳥としてはセキセイインコがよく知られている。オーストラリア原産、イギリスで改良された。
 九官鳥やオウムは人の簡単な言葉を真似るが、インコもそれができるようだ。但し、何度も何度も言って聞かせることが必要。右の画像のインコは、知人の家で飼われているが、奥さんが一日中語りかけているらしく、複数の言葉を真似るという。写真を撮った時は、見知らぬ我々が取囲んだため緊張したか、一言もしゃべらなかった。


  銀色に光れる缶を並べ売る白きインコを肩にとまらせて
                    大野誠
  冠毛のかすかに揺れて頬赤きオカメインコは名さへ親しき
                    奥平初子
  黄の抜蛺咥へてあそぶインコ二羽このゆふまぐれ春となりゆく
                    河野愛子
  巣ごもれる幾組のインコ夜の貨車の音にめざめて一しきり鳴く
                    大西民子
  ミサイルが砂漠を飛ぶ夜わが家の籠に身じろぐこざくらいんこ
                    高野公彦
  クリすけと呼びて八年親しみしインコ死にゆけり鼻ペチャとなりて
                    大島史洋
  産卵に苦しむ鸚哥を不運にも暇なるわれがときどき覗く
                    冬道麻子