天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

金閣寺

NHKテレビの画像から

 京都市北区北山の鹿苑寺のことで、開山は夢想国師。昭和二十五年に放火により消失したが、三十年に再建された。放火事件は三島由紀夫の小説でよく知られている。


  おばしまに手弱女(たわやめ)倚(よ)れる金閣を霧(き)らふに
  見れば夢に似るかも           伊藤左千夫


  金閣寺北山殿の林泉にいつしのび入り咲ける野薔薇ぞ
                      与謝野晶子
  金閣の焼け失せし朝も水のごと無常の蝉のこゑひびきけり
                      前川佐美雄
  池の水ひろく湛へて金閣の廂の金はかがよひにけり
                      佐藤佐太郎