天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

天女花

NHKテレビの画像から

 天女花と表記して「おおやまれんげ」と読む。大山蓮華のことでモクレン科の落葉低木。本州中部以西の深山に自生する。大峰山・八経ケ岳の群落は有名。朴や泰山木の花に似ているが、蕊の形や色が違う。特に蕊の真紅と白の花弁の対比に惹かれる。夏の季語。


     大山蓮華浸す山水手も浸し   高崎公久
     月の出を待ちゐる天女花かな  森 澄雄
     世尊寺の大山蓮華匂ひけり   山岸澄子
     鳥たちし大山蓮華ゆるるかな  小澤 實


  山霧のいくたび湧きてかくるらむ大山蓮華(おほやまれんげ)
  夢にひらけり            前登志夫


  すでに死者のまなざしをもてわれをみる大山蓮華まぼろしの花
                   山中智恵子