天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

猛暑とMLB

NHK・BSテレビ画面から

 この頃の毎日続く暑さでは、とても日向に出る気がしない。家にいるとどうしてもテレビで野球を見てしまう。特にMLBから目が離せない。ビデオにとっておけば、自分の都合のよい時間帯に見ることができる。日本の選手が活躍するチームの試合に関心が強くなるのは止むをえまい。
 ヤンキースは、今年の地区優勝もリーグ優勝も期待できなくなったが、イチローや黒田の成績が気になる。レンジャーズでは、なんといってもダルビッシュ奪三振数がどこまで伸びるか、である。
イチローについては、以前にもふれたが、ヤンキースの他の選手に比べて、打撃がひ弱く感じられ、凡打するとイライラさせられる。日本人の感覚では職人芸であり、典型的な野球の技術を見ていることを痛感するのだが、多分、外国人には物足りないはずである。特に監督にとって。そんな中、イチローの記録を追いかけているエイミー・フランツさん母娘の熱意は、変わらないようである。ニューヨークのヤンキース球場の右翼観客席に現れて、ICHI-METERのパネルを掲げたのには驚いた。彼女たちは、西海岸のシアトルに住んでいるから、わざわざ東海岸のニューヨークまでイチローの試合を見に来ているのである。


     大和島蝉鳴きやまぬ鬱の森
     目薬をさす立秋の朝かな
     東海道一里塚跡芙蓉咲く
     卒塔婆の干反る暑さに黙したり
     鉢植ゑの蓮の実がとぶ軒廂
     水音の蛇苦止明神藪茗荷
     涼風の山門くぐる円覚寺
     蝉声も痩せ細りたる猛暑かな
     みちのくの慰霊の花火闇深く


  ホームランボールをつかむ観客を夕陽が染めるサンフランシスコ
  スプラッシュヒットの数の最大はバリー・ボンズの三十五本
  A・ロッド、バリー・ボンズら最強の選手が堕ちし薬物疑獄
  薬物に依りてなりたる記録でもMLBの歴史に残る
  シアトルからニューヨークへ来て掲げたり日米通算のICHI-
  METERを


  八月のヤンキーズ球場右翼席フランツ母娘(おやこ)をテレビが映す
  イチローの最終打席も無安打に終れば畳むICHI-METERを


 折に触れてイチロー関係を短歌に詠んできたが、いつの間にか120首を
超えた。

[追伸]ボストンで始まったレッドソックスヤンキースの試合
   にも、フランツさん母娘の姿があった。ニューヨークから
   ボストンへ移動して、ホテルに宿泊してイチローの試合を
   観戦するのであろう。現地のテレビ撮影クルーも心得た
   もので、イチローファンのために母娘の観戦の姿を撮って
   流しているのだ。