現在一般に用いる鏡は、硝酸銀溶液をガラス板に塗って銀膜を作り、四三化鉛で保護する。理化学用や反射望遠鏡、バックミラーには銀、アルミニューム、鉛などを真空蒸着する。平面鏡、凸面鏡、凹面鏡がある。
ありありと鏡のなかにくれなゐの炎を見たりわれのたましひ
宮 柊二
更けてゆく夜の鏡にひずみおるおのれの鼻に墨ぬってみる
山崎方代
春の雪霏霏と鏡にふりつもりわがうすじろき首(かうべ)埋めむ
佐竹彌生
わたくしの顔をもたざるわたくしと出会ふことあり朝の鏡に
築地正子
詩歌とは真夏の鏡、火の額を押し当てて立つ暮るる世界に
佐佐木幸綱