天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

目薬

わが身辺から

 眼病の予防・治療のために眼に滴下する薬。現代ではほとんど用いられないが、賄賂に使う小量の金品を比喩することも。「目薬を利かす」とか。


  目薬の一滴をさししばかりにてわが目は水のかたまりとなる
                     岡崎康行
  目薬のしづくをふかくたたへたる近江(おふみ)遠江(とほたふみ)
  ふたつのまなこ            小池 光


  目薬のつめたき雫したたれば心に開く菖蒲(あやめ)むらさき
                    岡部桂一郎
  今日一日心くるしみゐし吾の頬伝ふまで目薬をさす
                    富小路禎子