天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

テレビ(1)

わが身辺より

 テレビジョンは、光学像を電気信号に変換して無線あるいは有線により伝送、受像機により映像として再生する通信方式である。1933年にV.K.ツウォリキンがアイコノスコープを発明してから目覚ましい発達をとげた。撮像管で微細に分解した絵素を電子線で走査して電気信号を取り出し、受像機に伝送する。受像管では全く同じ順に走査して受像管上に結像する。日本におけるテレビの本放送は、1953年にNHKが開始した。



  海の画像写りしテレビそのままの重さかかえて部屋隅に寄す
                     浜田康敬
  テレビジョンに日の丸揚りゐる深夜鼻の頭を擦りゆきし雷
                     竹山 広
  君の亡き君が家に見るテレビジョンバー越ゆる背の美しく反る
                     竹山 広
  戦艦大和みるみるにして沈みゆくテレビの前に子は佇立せり
                     岡野弘彦
  笑ひ声絶えざる家といふものがこの世にあるとテレビが言ひぬ
                     小池 光
  消してあるテレニ画面に映りたるああ美しき部屋の散乱
                     花山多佳子