天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

風邪を詠む(2)

わが身辺から

 風邪は鼻、咽喉などに炎症がおこり、くしゃみ、鼻水、喉の痛み、咳などの症状が出る感染症である。原因となるウィルスの種類は多い。ライノウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、エンテロウイルスマイコプラズマ、インフルエンザウイルス 等々。


  感冒(かぜ)なひきそよ朝は冷たき鼻の尖(さき)ひとり凍えて
  春を待つ間に               北原白秋


  ママ風邪はもう直つたのと戸を閉めて聞きに行きけるママ
  の幼児                  柴生田稔


  風邪気味に顔ほてらせてありし夜に始て人の美しかりし
                       近藤芳美
  風邪過ぎてかく衰へて障子戸をあけて坐れるさへも恋ほしき
                       森岡貞香
  風邪の子を膝にひらける図鑑にはぷろんとさうるすしのぐ
  なあさす                佐佐木幸綱


  充満を待つたゆたひにインフルエンザのわが子をすこし思つた
  であらう                 小池 光


  かぜ熱の出で来たるがにさみしくてわれは感情といふを疎めり
                       うちだてるこ