天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

風邪を詠む(3)

わが身辺から

 ヒトのものとは異なるウイルスによって発症する鳥のインフルエンザでは多数の亜型がある。特に強い病原性を示すものを高病原性鳥インフルエンザという。人畜共通感染症。人間の感染は東南アジアや中国に集中していたが、次第に中央アジア西アジアにも拡大した。鳥インフルエンザ健康被害に加え、感染した鶏の殺処分、発生源周辺地域の鶏肉や卵の出荷停止、発生国からの鶏肉貿易停止など経済的にも多大な影響を及ぼす。以上のことは「知恵蔵2014」の解説から引いた。俳句では冬の季語で傍題に、感冒、流感、風邪薬、風邪声、風邪心地 等がある。


     建長寺さまのぬる燗風邪引くな     石塚友二
     月のものありてあはれや風邪の妻    森川暁水
     白湯ふふむくちほのぼのと風邪薬    石原舟月
     母に良く効きて富山の風邪薬     國居ことゑ
     風邪の子や眉にのび来しひたひ髪    杉田久女
     ほとごゑのなかのひと日の風邪ごこち  桂 信子
     迷惑をかけまいと呑む風邪薬      岡本 眸