天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

阿修羅(1)

NHK・BSテレビ画面から

 インド古代の鬼神。仏教では仏法を守護する八部衆の一つ。バラモン教では常に帝釈天と戦う悪神ともいう。須弥山の東あるいは北の大海に住むという。あすら。修羅。


  須弥のうへはめでたき山とききしかど修羅のいくさぞ猶
  さわがしき                慈円


  我が憤怒阿修羅のごとく時ありし眼角(めかど)思へば今は
  幽けさ                 北原白秋


  けふ も また いくたり たちて なげき けむ あじゆら
   が まゆ の あさきひかげ に    会津八一


  うなじ清き少女ときたり仰ぐなり阿修羅の像の若きまなざし
                      岡野弘彦
  修羅の心修羅なるままに統べ終えば予感さえなき遠き曠野へ
                     清原日出夫
  宝物庫の窓花明かり抱擁を思へば阿修羅腕殖えて立つ
                      伊藤玲子