インド古代の鬼神。仏教では仏法を守護する八部衆の一つ。バラモン教では常に帝釈天と戦う悪神ともいう。須弥山の東あるいは北の大海に住むという。あすら。修羅。
須弥のうへはめでたき山とききしかど修羅のいくさぞ猶
さわがしき 慈円
我が憤怒阿修羅のごとく時ありし眼角(めかど)思へば今は
幽けさ 北原白秋
けふ も また いくたり たちて なげき けむ あじゆら
が まゆ の あさきひかげ に 会津八一
うなじ清き少女ときたり仰ぐなり阿修羅の像の若きまなざし
岡野弘彦
修羅の心修羅なるままに統べ終えば予感さえなき遠き曠野へ
清原日出夫
宝物庫の窓花明かり抱擁を思へば阿修羅腕殖えて立つ
伊藤玲子