天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

登呂遺跡

登呂遺跡にて

 三保の松原に行った日は焼津のかんぽの宿に泊った。翌日に静岡駅からバスで登呂遺跡に行った。ここにも以前に来たことはあるのだが、景観は全く違っていた。今は公園になっている。


     田おこしの登呂の遺跡や水ぬるむ
     田を返す漢がひとり登呂遺跡
     鶺鴒が小走りにくる登呂遺跡
     たむろして登呂の遺跡に春の鴨
     高床式校倉造春うらら
     うららかや田下駄をためす登呂遺跡
     錐揉みに火をおこしたり登呂の春


  去り際にいかめし、鯖の一夜干し、金目など買ふかんぽ
  の宿に


  ゆたかなる腰から尻の肉付の「洗濯女」にわが欲情す
  登呂遺跡農具や家具をならべたる竪穴住居に電灯点る
  弥生期の地層に出でし木製の田舟展示す登呂博物館
  弥生期の地層に出でし土器、木の実ガラスケースの中に
  しづまる


  模造品といへどまぶしく光りたり漢倭奴(かんのわのなの)
  国王の印