天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

羊(2)

NHKテレビ映像から

 ヒツジは群れたがる性質をもち、群れから引き離されると強いストレスを受ける。品種によってまったく角をもたないもの、雄雌両方にあるもの、雄だけが角を持つものがある。同じヤギ亜科に属するヤギと違い、草だけを食べる。


  きのふは廃羊がけふは老牛がつながれてながく鳴きゐる
  電柱があり              斎藤 史


  人間の美味なる肉に代るとぞその身毛深く羊飼はれぬ
                     小野茂
  しんかんたるなかの個にして寝に就かんひつじつぎつぎに
  膝曲げてゆく             香川 進


  大いなる綿羊の腹のしたにすむここちこそすれ郷里の冬は
                    山田富士郎
  厚き毛を刈られ裸となりしとき羊は細き聖(ひじり)のまなこす
                     遠山 満