天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ザリガニ(1)

浜松市の緑地にて

 子供がザリガニをみつけたら手で掴んでとる、網で掬う、餌をつけた糸で釣るなど 子供の性格によっていくつか方法がある。ザリガニは泥の中に潜るので、見つけにくい。ただ肉類の餌には貪欲で、周囲の状況をあまり考えない。大きな鋏で掴んだら放そうとしない。よって釣りは極めて単純。今回は幼稚園で教わったという方法で、釣り糸の先にクリップを結びつけ、それにちくわの欠片(かけら)を挟んで餌にするというもの。ザリガニはちくわの匂いを直に嗅ぎつける。ただザリガニの姿を見つけてその前に餌をおいてやる必要がある。


     子と並びザリガニを釣る日傘かな
     ザリガニの鋏が真っ赤梅雨の沼


  幼稚園の年長組は二十人緑地の沼にザリガニを釣る
  クリップにちくわの欠片はさみたる釣り餌にしてさそふ
  ザリガニ


  ザリガニは赤き鋏を振上げて餌のちくわを挟み込みたり
  大いなる赤き鋏のひとつとれ威厳失ふあはれザリガニ
  幾たびも沼に釣られて戻されしザリガニ懲りず餌に食ひつく