天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

モスク

NHK-BSテレビの映像から

 イスラム教の礼拝堂。アラビア語のマスジド(「ひざまずく場所」の意)からきている。スペイン語でメスキータ、英語でモスク、ドイツ語でモシェー、中国語では清真寺となる。
 もともとモスクは、政府の布告を通達する役所、カーディーの法廷が開かれる裁判所、イスラム教徒の子弟に読み書きを教える初等学校 といった役割をもっていたという。大小あって、都市の各街区、各村ごとに設けられた。


  トルコ中のモスクの塔よりコーランがこだましあひて夕映
  ゆるがす                 田中恵子


  寺、境界、モスクの形は変われども捧げる炎の色は変わらず
                       田中章義
  祈りの時の来れば番組を中断し映像はモスクにたちまち変る
                       東野典子
  響(なり)わたるモスクのかたへ信仰をもたぬ革ぐつ跫音消しぬ
                      前川佐重郎
  靴下げて入りゆく寺院(モスク)の真昼どき人は祈らず眠り
  たのしむ                 雁部貞夫