天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

昼顔

横浜市俣野別邸庭園にて

 ヒルガオ科のつる性多年草アサガオ同様朝開花するが昼になっても花がしぼまないことからこの名がある。アサガオと違って鑑賞用に栽培されることはない。地下茎で増え駆除が難しいため、おおくは雑草として扱われる。花言葉は「絆」。
このブログですでに何度かとりあげたので、それらと重複しない作品を以下にあげる。


  岩の上に魚解かれをり昼顔の海の石垣昏れそめにけり
                    山中智恵子
  ゆき疲る駅の昼顔生の緒のあまれるかたへまた急ぐべし
                    山中智恵子
  けふひと日ひかりによりて耐へさせよ昼顔のうへ夏が
  きてをり               雨宮雅子


  昼顔の咲く塀沿ひに少年は自転車のリム光らせて過ぐ
                     志垣澄幸
  足して足してマイナスとなる数もあらむたとへば空地の
  昼顔の花              斎藤佐知子


  照り白む砕石(バラス)の上に咲き拡がり漂ふばかり
  昼顔の花              佐々木靖