天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

天の川(2)

NHK-BSテレビの映像から

 地球を含む太陽系は、数ある銀河のひとつ「天の川銀河」の中に位置しており、我々はこの銀河を内側から見ているために天の川が天球上の帯として見える。天の川銀河の中心はいて座の方向にある。天の川のあちこちに中州のように暗い部分は暗黒星雲で、その向こうの星を隠している。


  天の川世の目あらはに相逢はむ恋にしあらば何かなげかむ
                    伊藤左千夫
  蒼空の真洞にかかる天漢あらはに落ちて海に入る見ゆ
                    伊藤左千夫
  天のかは棕櫚としゆろとの間よりかすかにしろし闌(ふ)けに
  けらしも               北原白秋


  天の川かたむくは夜半(よわ)に縁(えん)に覚めこころは遠し
  一つ蜩(ひぐらし)           吉田正俊


  島の背の夜霧に立てば天之河熊野が灘(がた)へおしかたむけり
                     吉野秀雄
  天の川白き夜去りて朝風の中なる萩にくれなゐ走る
                      宮 柊二