2014-09-03 石の歌(5) 石自体に注目した歌もある。 千古 人 手ふれざりつる頂の石の破片を思ふにうつくし 佐佐木信綱 われのゐる石をめぐりて行く水の波だつところ夕かげりたり 松村英一 雪の上にあらはに黒き石ひとつ冬を越えたるもののしづけさ 岡部文夫 石の面に腰をおろしてその横の石にひらたく日の照る見おり 石田比呂志 ゆく河の流れを何にたとえてもたとえきれない水底の石 俵 万智 日にひかる白き小石を拾ひ来て机上におけば灰いろの石 安田純生