天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鎌倉円覚寺龍隠庵にて

 日本ではじが蜂、足長蜂、蜜蜂、雀蜂、熊蜂 などが一般的だが、世界には約10万種がいるという。アリを除く膜翅目。六足四羽。古くは、「じが蜂」を「すがる」と呼んだ。次の古今集の歌を参照。


  すがる鳴く秋の萩原朝たちて旅ゆく人をいつとか待たむ
                古今集・よみ人しらず
  巣をいでてひとつ飛びたる熊蜂の翅きらきらと光りゆくかも
                      古泉千樫
  夢殿の階のすきまの巣をいでて蜂はつるめりかがやきながら
                      植松寿樹
  けふの昼持ち帰り来し蜂の巣をいづこへか秘め少年眠る
                     安立スハル
  欲情をなだめつつゐる窓のそと翅収めたる黄の蜂あゆむ
                      滝沢 亘