天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

杜鵑草(続)

横浜市俣野別邸庭園にて

 2009年10月8日のブログの続きである。近くの公園を散歩していて「タイワンホトトギス」と名札のついた一群の花杜鵑草を見つけた。「タイワン」とついていることに興味が湧き、この草花の種類を調べてみた。今更ながらわが不明を恥じるのだが、随分と種類が多い。地方毎の固有種があるのでは、と疑うくらいである。
 ・山路の杜鵑草  ・黄花杜鵑草  ・相模上臈杜鵑草
 ・玉川杜鵑草  ・紀伊上臈杜鵑草  ・高隈杜鵑草 
 ・瀬戸内杜鵑草  ・チャボホトトギス
などという種類もある。園芸用に作られた交配種も多いようだ。固有種の「タイワンホトトギス」は、沖縄県および台湾に自生するもので自生地が局地的のため絶滅危惧に指定されている。公園で見かけたものは多分その園芸種なのであろう。(右上の画像)


  書にかこまれ乏しき部屋に一本のほととぎす低く壺に挿されつ
                      岡崎望久太郎
  野分にほろぶ花杜鵑草(はなほととぎす)男らは寂しさのきはみに
  怒るべし                  塚本邦雄


  露に濡れ家を出でたり紫のほととぎすの花にセクハラをして
                        伊藤一彦
  めづらしき花と言ひつつ手折りくれし白きほととぎす小蟻が
  ひそむ                  秋山佐和子