天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蓮根(続)

NHKテレビ「キッチンが走る」から

 「れんこん」あるいは「はすね」は、2011年4月25日に取り上げているが、以下はその続きである。俳句では、「蓮根掘る」が冬の季語になっている。「蓮掘る」は傍題。蓮根の原産地はインドという。昔はおせち料理など縁起の良い日に供したが、穴の多いことが「先を見通す」ことに通じるから、と言われる。


     蓮掘りが手もておのれの脚を抜く   西東三鬼
     底泥をぬくしと言へり蓮根掘     浅井陽子


  蓮根を子らは知らずと子ら連れし妻は蓮根を買ひて帰れり
                       柴生田稔
  れんこんが厨に参りガスの火を嬉しがらせて生れしきんぴら
                       池田はるみ
  れんこんの穴が言ふなり骨だけが存在ぢやない つんと青空
                       熊岡悠子