天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

新春の江ノ島

江ノ島・奥津宮にて

 元日に新江ノ島水族館に行ったついでに辺津宮まで足を伸ばしたのだが、みぞれになりかつ参拝客が石段に列をなしていたので、早々に引き返した。あらためて天気の良い日に新春の江ノ島を巡ってきた。サムエル・コッキング苑には、色とりどりのチューリップやガザニアビオラが咲いていた。シー・キャンドル(燈台)の最上階からは、180度の展望ができて、凪いだ新春の海、霞にうかぶ丹沢の山々、冠雪の富士などを新しい気分で眺めた。
 江ノ島は、二月一日までライトアップされている。


     新春の光まぶしき凪の海
     浮かびきて海鵜は見たり雪の富士
     丹沢の山塊隠す春霞
     江ノ島や初富士を背にVサイン
     松取れて弁才天に参りけり
     初春や幣の真白き力石
     釣り舟の水脈鮮しき春の海


  浮かび来てあたり見回す鵜の鳥のかなたにかすむ
  冠雪の富士


  魚呑みて重くなりたる身を飛ばし海鵜帰り来片瀬
  漁港に

  うつすらと霞の上に現るる丹沢の峰雪冠る富士
  奥宮の亀甲石と力石注連(しめ)新しくありがたく見ゆ
  新春の江ノ島に来て買ひにけりしらすコロッケ、烏賊
  一夜干し


  「花の舞」大吟醸の肴には今日買ひきたる烏賊一夜干し