たきぎ、まき と読む。焚木と表記することも。燃料にする木のことである。生木は水分が多く燃焼の妨げとなるため、伐採後に割り乾燥させる。
薪樵(こ)る鎌倉山の木垂(こだ)る木をまつと汝(な)が言はば
恋ひつつあらむ 万葉集・東歌
山人のこれるたき木は君がためおほくの年をつまむとぞおもふ
後撰集・藤原忠平
をしからぬこの身ながらもかぎりとて薪つきなんことの悲しさ
源氏物語御法
法のためになふ薪にことよせてやがてうき世をこりぞはてぬる
金葉集・膽西
はかなしやたきぎつきなん夕をば思はでけふもかへる山びと
宗祇
水や汲まむ薪や樵らむ菜や摘まむ秋の時雨の降らぬその間に
良寛