天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

薪(1)

横浜市舞岡公園にて

 たきぎ、まき と読む。焚木と表記することも。燃料にする木のことである。生木は水分が多く燃焼の妨げとなるため、伐採後に割り乾燥させる。


  薪樵(こ)る鎌倉山の木垂(こだ)る木をまつと汝(な)が言はば
  恋ひつつあらむ             万葉集・東歌


  山人のこれるたき木は君がためおほくの年をつまむとぞおもふ
                    後撰集藤原忠平
  をしからぬこの身ながらもかぎりとて薪つきなんことの悲しさ
                      源氏物語御法
  法のためになふ薪にことよせてやがてうき世をこりぞはてぬる
                      金葉集・膽西
  はかなしやたきぎつきなん夕をば思はでけふもかへる山びと
                        宗祇
  水や汲まむ薪や樵らむ菜や摘まむ秋の時雨の降らぬその間に
                        良寛