天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

多摩川の歌(2)

NHKテレビの放映画像「雪女」から

 「多摩川」という名称の由来はよくわかっていない。万葉集東歌には「多麻河」とでてくる。上流に「丹波川(たばがわ)」があり、そこから来ているとの説もある。現在多摩川と呼ばれているのは、奥多摩湖の湖水の出口である小河内ダムより下流からである。


  かのひとも眠りてあらむ多摩川を越ゆるとどろきに身は
  疲れをり                岡野弘彦


  行くところほかになきなりひとすぢの水きらめくは多摩川
  のひかり                島田修二


  うっとりと鴨を浮かべて多摩川の瀬の遠白にほの明かるころ
                     佐佐木幸綱
  空より見る一万年の多摩川の金剛力よ、一万の春
                     佐佐木幸綱
  海へ出てあそんで来いよ洗剤の泡うかべゐるくろき多摩川
                      高野公彦