「多摩川」という名称の由来はよくわかっていない。万葉集東歌には「多麻河」とでてくる。上流に「丹波川(たばがわ)」があり、そこから来ているとの説もある。現在多摩川と呼ばれているのは、奥多摩湖の湖水の出口である小河内ダムより下流からである。
かのひとも眠りてあらむ多摩川を越ゆるとどろきに身は
疲れをり 岡野弘彦
行くところほかになきなりひとすぢの水きらめくは多摩川
のひかり 島田修二
うっとりと鴨を浮かべて多摩川の瀬の遠白にほの明かるころ
佐佐木幸綱
空より見る一万年の多摩川の金剛力よ、一万の春
佐佐木幸綱
海へ出てあそんで来いよ洗剤の泡うかべゐるくろき多摩川
高野公彦