天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

曽我梅林

下曽我・曽我梅林にて

 熱海梅林は見頃に近かったので、例年行く曽我梅林は如何にと、一応WEBを調べて出かけたら、失敗であった。WEBの紹介写真は、咲いている木を中心に出しているので誤解してしまった。咲き始めた白梅もあったが、それも三分咲きといったところ。大方の木はまだ固い蕾の状態だった。田んぼの畦道には祝日(十一日)の流鏑馬用の馬場が整えられていた。ここの流鏑馬は2006年2月11日に紹介している。原の梅林を散策した後、曽我兄弟の菩提寺である城前寺によってから帰路についた。城前寺近くの路傍には、五郎の踏み石があるが、その足跡には雨水がたまってそこに氷が張っていた。


     探梅の下曽我西に雪の富士
     騒がしき園児らつれて梅の花
     流鏑馬の馬場のととのふ梅の里
     下曽我やみかんが梅の肥しなる
     城前寺うらの紅梅虚子の句碑
     紅梅の朝影あはし虚子の句碑


  昨夜降りし雪あはく積む駒ケ岳曽我梅林はまだ
  三分咲き


  梅いまだ三分咲きなる梅林に朝の散歩の園児らの声
  下曽我のつぼみは赤き梅林に富士の方より地響き
  きこゆ


  梅林を騒ぎて来たる園児らが合せて踊るうめ干しの歌
  梅干の歌に合せて園児らが踊れば一人をみな拍手す
  紅梅の枝にかかれる紙札に矢印ありておもちと書けり
  梅林のいづこにゐても富士見えて流鏑馬駈くる
  下曽我の里


  水ためて氷張りたり曽我兄弟五郎の踏みし石の足跡
  兄弟の墓とならべる父母の墓その下方なる見送り稲荷