天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

かんぽの宿

夜の熱海(かんぽの宿から)

 熱海梅園を見た日には、上の山のかんぽの宿に泊った。以前は本館だったが、今回は梅園に少し近い別館に泊った。宿は高みにあるので、窓からは熱海の街と太平洋が一望できた。夜景も風情があった。


     如月の水脈曲げてくる遊覧船
     立春の月に濡れたる熱海かな


  梅園を出でて坂道のぼりけり熱海上の山かんぽの宿
  如月の熱海の沖をゆく船は夢をはこびて白き水脈ひく
  ラベルには芸妓ふたりの舞ふ姿「華の舞」なる冷酒飲みたり
  如月の月に濡れたる海を見き熱海上の山かんぽの宿
  朝焼けの東の雲の間に射す如月の陽に熱海かがよふ