家の四方を囲うもの、建物の仕切りとなる平板状の部分(外壁)、または室と室の隔てとなるもの(内壁や間仕切り壁)。「塀」と同義で使われることも多い。
まどろまぬかべにも人を見つるかな正しからなむはるの
夜の夢 後撰集・駿河
真萩ちる庭の秋風身にしみて夕日の影ぞかべに消え行く
風雅集・永福門院
見るままに壁に消え行く秋の日の時雨にむかふうき雲の空
風雅集・進子内親王
秋の雨の窓うつ音に聞きわびて寝覚むる壁にともしびの影
風雅集・藤原公宗女
みまかりし子の落書のある壁を妻は惜しむか移らんとして
木俣 修
白壁を隔てて病めるをとめらの或る時は脈をとりあふ声す
相良 宏