瓦
屋根葺きに使われる建材。史上、初めて瓦が登場するのはおよそ2800年前の中国とされる。日本にはおよそ1420年前の西暦588年、百済から仏教と共に伝来。飛鳥寺で初めて使用されたという。スタイル・用途・焼成法・色・等級・産地などの観点から分類すると1000種を越える。例えば、形状・用途で粗く分類すると、
平瓦: 並平、敷平、桟瓦
丸瓦: 並丸
役瓦: 掛瓦、袖瓦、軒瓦、
棟瓦: 雁振、熨斗、ひも熨斗、面戸瓦
棟飾: 鬼瓦、獅子口、鳥衾
歴史的な建造物の寺院や天守閣の修理・復元の際に、当時の瓦の組成や焼き方、屋根の葺き方が調査され、さまざまな知見が得られる。
葺き替へて瓦のせたるわが屋根に月かげ蒼しながく生きたし
長谷川銀作
我が心かはらむ物かかはらやの下たくけぶりわきかへりつつ
後拾遺集・藤原長能
むせぶとも知らじな心かはら屋にわれのみ消(け)たぬ
したの煙は 新古今集・藤原定家
しんかんとしたる真夏の瓦屋根かたむくところ雀があそぶ
鹿児島寿蔵
屋根のうへに働く人が手にのせて瓦をたたくその音きこゆ
佐藤佐太郎
若者の一人のリモコン操作にて瓦の束が尾根のぼりゆく
西川修子