天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

水ぬるむ

横浜市舞岡公園にて

 横浜市の舞岡公園に行ったら、たまたま満開のおかめ桜と河津桜に出逢えた。両者の違いがよく分った。おかめ桜は、紅色の一重の花が下向きに咲く。山道を歩くとトサミズキ、ミツマタハクモクレンシデコブシ などの花を見ることができた。特に丈高い辛夷の白い花が目についた。小谷戸の里・古民家の庭には、大きく膨らんで咲いたハクモクレンがみごとであった。冬枯れの林の梢には鳥の古巣が残っていて、鴉のつがいが様子を見に来ていた。手入れして使うことを考えているようだ。


     回らむともがく水車や水ぬるむ
     池の辺に河童組み合ふ幤辛夷
     みどり顕つくぬぎ若葉の萌え立ちて
     田返しや土くれに精気よみがへる
     はくれんの下に絵を描く媼かな
     古民家やもくれん白く爆裂す
     冬枯れの古巣見てゐる鴉かな
     にぎやかに春のかんざし木五倍子かな


  舞岡の道を歩きて違ひ知るおかめ桜と河津桜
  冬枯れの森のこずゑにあらはなる古巣見てをり
  カラスのつがひ