水ぬるむ
横浜市の舞岡公園に行ったら、たまたま満開のおかめ桜と河津桜に出逢えた。両者の違いがよく分った。おかめ桜は、紅色の一重の花が下向きに咲く。山道を歩くとトサミズキ、ミツマタ、ハクモクレン、シデコブシ などの花を見ることができた。特に丈高い辛夷の白い花が目についた。小谷戸の里・古民家の庭には、大きく膨らんで咲いたハクモクレンがみごとであった。冬枯れの林の梢には鳥の古巣が残っていて、鴉のつがいが様子を見に来ていた。手入れして使うことを考えているようだ。
回らむともがく水車や水ぬるむ
池の辺に河童組み合ふ幤辛夷
みどり顕つくぬぎ若葉の萌え立ちて
田返しや土くれに精気よみがへる
はくれんの下に絵を描く媼かな
古民家やもくれん白く爆裂す
冬枯れの古巣見てゐる鴉かな
にぎやかに春のかんざし木五倍子かな
舞岡の道を歩きて違ひ知るおかめ桜と河津桜の
冬枯れの森のこずゑにあらはなる古巣見てをり
カラスのつがひ