天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

十二単(じゅうにひとえ)(1)

北鎌倉・東慶寺にて

 シソ科の多年草で、本州、四国の林野にはえる。高さが15〜20cm、全草に白いちぢれ毛がある。花が重なって咲く様子から衣装に見立ててこの名前がついた。4月から5月ごろ、青色の唇形花を咲かせる。


  雑草といへども庭をわたりつつ十二単の紫さわぐ
                    二宮冬鳥
  花終る十二単のむらさきの見るに影なき庭の上の哀(あい)
                   石田比呂志
  わが庭に絶えし瑠璃草(るりさう)も十二単も幻たしかむ
  草除りしつつ            大滝貞一