天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

十二単(2)

北鎌倉・東慶寺にて

 植物の十二単を知ったのは、つい最近のことである。何がきっかけだったか忘れたが、鎌倉では東慶寺の境内で見られるというので、さっそく見に行ってきた。桜を見に鎌倉を巡った際に訪れた時には、全く見られなかったが、今回は境内のあちらこちらに紫の花茎が目立った。


     うららかやバス停ベンチに鳥の糞
     こでまりの人待ち顔の朝かな
     東慶寺十二単をわが見たり


  川の辺を走れる人を見下ろせり路傍に揺るるこでまりの花
  雨あがる朝に訪ひし東慶寺十二単をわが目に見むと
  写真撮るわが背の方に主婦のこゑ「十二単は抜けども絶えず」