天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

西郷隆盛

西郷の肖像画(キオソーネ)

 これほど日本国民に知られた人物は少ない。だが、写真は一枚も残っていないという。明治維新で活躍した人達の多くが、実物写真を撮って残しているのに、西郷だけが例外なのである。ただ、フルベッキという人が撮った写真があり、そこには幕末に活躍した多くの人物が一堂に会している。フルベッキ自身も真中に写っている。この写真の中で西郷と云われている人物が有望に思えるのだが、銅像肖像画とは似ても似つかない。


  ながらへて悔しきいのち西郷と月照のごとく我は死なざりき
                      岡野弘彦
  逃れむと西郷軍の越えにける日向可愛岳(ひうがえのたけ)
  あそぶ雲なし              伊藤一彦


  負傷した西郷どんが昼寝するほの暗き春の保健室なり
                      笹 公人