天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

大磯郷土資料館にて

 脊椎動物の骨格を構成するリン酸カルシウムを含んだ硬い組織が骨である。体内での骨の機能には、体の保護、姿勢の維持、筋肉を用いた運動などのほかに、栄養の貯蔵や血球を産生する工場としての役割ある。 人間の場合、大人の体には約206の骨があり、幼児では約270個の骨がある。なお、生物以外のものにも傘の骨とか鉄骨というような表現がある。


  白百合の花びら蒼み昏れゆけば拾ひ残せし骨ある如し
                  五島美代子
  骨のみとなりて立ち居りレントゲン透視の像にわが心
  見えず              川口常孝


  白骨はめがねをかけてゐしといふさびしき澤に雪解け
  しかば              葛原妙子


  屈葬位白骨の胸部崩れ落ち骨片星屑のごとく散らばる
                   葛原妙子
  白骨(しらほね)となりても遂げむことありや水に押されて
  水動きをり            大西民子


  音たてて脛骨まはすそのかみの恐竜たちが風きくさまに
                   井辻朱美