天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

オキナグサ

北鎌倉・東慶寺にて

 このブログで過去(2011年5月27日、10月5日、2014年5月23日、24日)に数回とり上げて、「翁草」を詠んだ和歌・短歌をご紹介したが、以下では俳句と新たな短歌一首をあげる。春の季語だが、傍題に「白頭翁」「うばがしら」がある。心配なことに絶滅危惧種に指定されている。


     土の香のなにかたのしく翁草     飯田蛇笏
     翁草野の枯色はしりぞかず     橋本多佳子
     霧の中ことばはぐくむ翁草     青柳志解樹
     花しべの白毛垂れたり翁草      吉田冬葉


  いにしへの恋うた一つ思はせて返り花なるおきなぐさ咲く
                       佐藤輝子