山椒魚
両生綱有尾目サンショウウオ科とオオサンショウウオ科の総称。オオサンショウウオは西日本の山間の渓流にすむ。最大の両生類で、体長は1.2mにもなる。ハンザキとも呼ばれる。生きた化石として、特別天然記念物に指定されている。ただ、中国産の山椒魚との交雑が進み(ハイブリッドという)、純日本産のオオサンショウウオの将来が危ぶまれている。なお、山椒魚の中には、ハコネサンショウウオのように急流にすむものには、肺のないものがいる。
広島の山奥の村で暮していた小学生の頃には、たまに捕獲されたハンザキを見たものだが、それをどうしたのかは記憶にない。
泥いろの山椒魚は生きむとし見つつしをればしづかなるかも
斎藤茂吉
高やまゆ下(お)りて吾が来し谷ふかくちさき山椒魚泳ぐ水あり
川田 順
山沢の静けき季か水に透き山椒魚の卵(らん)は寄り合ふ
田谷 鋭
あっけなく扶養家族をはずれゆきし 昼ねむる息子の眠り山椒魚
永田和宏
サンショウウオ水にいるごとやわらかく秋の陽ざしに包まれている
早川志織