天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

光(9)

BSジャパンの放映画像から

 BSジャパンで「追え! 光のメッセージ」では、遺伝子組み換え技術で蛍光タンパク質を組み込んだ光るカイコが光るマユをつくる試験に初めて完全密着。そのマユからとる光るシルクの産業化を視野に、量産体制構築を目指す試験場を取材している。様々な色に蛍光発色するマユが一斉につくられていく高精細映像は圧巻であった。


  それよりは淡くなり得ぬ人かげのいくたりかなほ
  微光を放つ           有川美亀男


  水のあるほうに曲がっていきやすい秋のひかりよ
  野紺菊咲く            吉川宏志


  さはやかな風と光に育まれ樹々は季節の貌となりゆく
                   篠原恒子
  刺すやうな光いきなり射るやうな光となりて河口
  に出でつ             香川ヒサ


  朝光の差し入る部屋にあらはるるみな光より遅れて
  在るもの             香川ヒサ


  奪ひしものあらばかへさむしばらくは夕べの光丘
  に残りて             小野茂


  夕光(ゆうかげ)のなかにまぶしく花みちてしだれ桜は
  輝(かがやき)を垂る       佐藤佐太郎