天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

折鶴

家内の織ったもの

 折り紙の一種で正方形の紙を折って鶴に似せた形に作る。折り終えた際に鶴の下部に息を吹き込めば、胴体を膨らませることができる。多数の折鶴をくっついた状態で折る「連鶴」や、折鶴を多数折って繋げていく「千羽鶴」、また尻尾を引っ張って羽を動かすものもある。特に千羽鶴は、病気快癒・長寿祈願をこめて入院患者へ贈る習わしがある。


  世の俗にはるか隔たれる老のさま尊きまでぞ鶴折れる母
                     ク方壽満子
  をり鶴のうなじこきりと折り曲げて風すきとほる窓辺にとばす
                      栗木京子
  幾万の折鶴にしたたる感傷のむらむらと焼きたき思ひを誘ふ
                      沢口芙美
  しろがねの歌集のうへに海いろの折鶴をおく 翔びたちなさい
                     兵頭なぎさ