2015-07-11 班猫(はんみよう) ハンミョウ科の甲虫。道おしえとも呼ぶ。里山の道に多く現れ、人の歩く先へ先へと跳び歩くからである。幼虫は産みつけられた地面の穴に近寄る昆虫を捕食する。この習性を利用して、ニラの細長い葉を穴に挿し入れて、幼虫を釣りあげる子供の遊びがあった。夏の季語。 班猫に道ゆづりたる気の弱り 清水基吉 みちをしへ富士には隠れ道はなし 平畑静塔 道をしへ岬の鼻に出てゐたり 塩川雄三 わらわらと班猫のたつ雨後の土秋めきてあらき光と思ふ 石川不二子 わが前を素早く走る班猫の捉えがたくて歳重ね来し 池田友幸