天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

「花燃ゆ」展

吉田家版

 炎天下の伝馬町牢屋敷跡を巡った後は、両国の江戸東京博物館で開催されているNHKテレビの大河ドラマ「花燃ゆ」展を見に行った。写真や書状が豊富に展示されていた。書状はいずれも興味を引くものであったが、中でも松陰、高杉、久坂などのものは貴重に思えた。また、高杉の持ち物にも惹かれた。ところで現存する松陰の自賛肖像画六幅がすべて展示されていたのにはびっくりした。どの顔つきもよく似ているので、松陰の風貌をしのぶことができる。


     「花燃ゆ」展梅雨の晴れ間の両国に


  松陰の自賛付きなる肖像画六幅ならべ展示されたり
  松陰の語りし人物評当るふさはしき職につきし塾生
  晋作がつまびきしとふ三味線はちさく赤茶けあはれなりけり
  長洲が下関に据ゑ放ちける大砲黒きつやを保てり
  塾生は明治維新の立役者写真の顔はみなとげとげし
  品のある顔見つけたり若き日に刃くぐりし桂小五郎
  晋作の妻なる人のうつくしく他の誰よりあか抜けて見ゆ
  松陰のすこし右肩上がりなる書体の文字は若く激しき
  松陰の血気いさむる書状には高杉、久坂他の血判
  高杉が愛用せしとふ瓢箪の形は悪く大きかりけり
  若きらの思ひを汲みて「そうせい」とまかせし長洲藩主たふとし